YAMAHA MSP3A レビュー その1 基本的に良い音だが微妙な部分も?

取り敢えず音を出してみた

YAMAHA MSP3Aの外観

 テレワークの機材として、今までは手持ちのものを組み合わせて使っていました。音声の再生系は、FOSTEX AP05にYAMAHA NS-10MMという貧弱なものを使っていて、なんとかしようとYAMAHA MSP3を買う直前で、後継のMSP3Aが発表されました。そして、ようやくMSP3Aが発売されたので、早速購入しました。

 安物のUSBオーディオアダプタからRCAでMSP3Aに接続(安物ですが、一応ハイレゾ対応で、以前使っていたものと比べると無音時のノイズも無しと言って良いほどです。RMAAでの簡易計測もフラットで悪くありませんでした)。最初の音出しは悪くないものでした。今風のレスポンスの良い音が出てきます。気にしていた無音時のノイズもほぼなしです(余談ですが、FOSTEXのAP05も無音時のノイズについてはかなり良かったです)。ただ、ちょっと聴きこむと、高音が硬く耳につく音があり、低音は幾分ぼんつき気味なことに気づきました。高音はLRチャネルを入れ替えても同じ印象なので、初期不良などではなく恐らくエージング不足と判断。低音はラックに押し込んだ関係で、背面の音が変に響いているようでした。上下方向がぎりぎりのラックなので、背面のコンクリート壁からの反射と、ラックの上下の反射とで、洞窟に近いような感じです。

セッティング

背面に設置した吸音材

 高音は取り敢えずエージングに任せるとして、低音はトーンコントロールのみではどうしようもないので、背面に吸音材を設置することにしました。以前スピーカーを自作した時の吸音材が残っていたので、丸めて背面に置こうと思ったのですが、単に丸めただけだと扱いにくいので、洗濯ネットに入れて左右に一つずつ置くことしました。洗濯ネットは直径15cmの長さが21㎝位だったと思います。

再度試聴してみると…

 高音を慣らしたかったので、ホワイトノイズで合計48時間程度音出しを行いました。しかし、集合住宅なのでそれほど音量が取れないのは痛いところです。

 いざ音を出してみると、低音のぼんつきはほぼ収まったものの、まだ少しだけ締まりがない感じ。しかし、トーンコントロールも9時位まで絞っているものの、バランスは悪くない感じ。感覚的には、もう一つ吸音材を置いても良さそうです。相変わらず気になったのは高音で、特にノイズ的な音が強調されている感じです。モニターとしては好ましいのかもしれませんが、安物のインイヤーモニターでもここまで突出していないので、ちょっと耳が痛いという感じです。取り敢えずトーンコントロールで少し絞るとましになるので、もうちょっとエージングが進むのを待つことにしました。それにしても、良くいままでCDに入っていたノイズに気付かなかったものだと、我ながら呆れてしまいます(古いものの、結構著名なCDでした)。

エージングを進めて再試聴

 更に一週間ほど聴きこまずに流し聴きしておき、再試聴してみました。高音(HIGH)のトーンコントロールを0時に戻して聴くと、大分当たりが柔らかくなった気がします。ほぼ問題ないのですが、それでもわずかに耳に引っかかるので、結局トーンコントロールを11時位にして使っています。更にエージングを進めて改善されれば良いのですが、取り敢えず満足できる音質にはなったでしょう。

MSP3Aは買いか?

 悪い音ではありませんが、万人向けというか万能かと問われると、ちょっと違う感じがします。モニタースピーカーとしてならば買いだと思いますが、普段使いのスピーカーとしてだと、ちょっと鋭く感じてしまうかもしれません。この辺は主観なので一概には言えないのですが、個人的にはもうちょっと当たりが柔らかい音のほうが普段使いには向いている気がします。これは普段聴いているのがFOSTEXの古いフルレンジ(FE-108Σ)ということも、かなり影響しているのでしょう。最近は通販が多く店頭で試聴できないことも多いのですが、取り敢えず買って、聴いて、駄目なら売ってしまうのも手ではないかと思います(ですから、パッケージはすぐ捨てないほうが良いですね)。

Author: wing