Windos 11の要求スペックは問題だ

お得意のちゃぶ台返しか?

 Windows 10 でカウントは終わりという宣言もしれっと無視をして、Windows 11 が発表されました。ただこれ、ちょっとというか大分問題がある気がします。開発の経緯から、Windows 11 がマイナーチェンジなのは明らかです。恐らくは、マーケッティングの問題から 11 に変えた節があります。それともう一つ、32bit アーキテクチャの切り捨ても大きな目的だったのでしょう。

動作対象が釈然としない

 以下は、Windows 11 でサポートされる Intel CPU の一覧です。

Windows 11 Supported Intel Processors

 これを見ると判るように、32bit CPU はサポートされません。もっともそれらの CPU で現在稼働している PC は、流石に多くはない筈ですから妥当と言えるでしょう。それよりも、Core シリーズを見ると 8000 番台以降しかサポートされないのは問題です。例えばうちでは Core i7-4770 という古い CPU を使っていますが、それでもサポート一覧の廉価 CPU よりは余程速いのです。つまり、32bit CPU のように性能の都合だけでサポートを切ったわけではないことが分かります。

 また TPM 2.0 のサポートも必須となっているので、この機能がサポートされた CPU 以降に対応したともとれます。しかし、セキュティの向上はわからないでは有りませんが、強制するのは少々行き過ぎな気がします。さらには、オプションで TPM 2.0 のハードウェアモジュールを搭載しても、8000 番台より古ければサポートされないなど、どうも基準がよく解りません。

現状では多くの PC は Windows 11 にアップグレードできないだろう

 そして性能の他にも問題はあって、実際に切り捨てられる PC が実に多いことです。先に述べた Core シリーズの 8000 番台を搭載した PC が発売されていたのは約 2 年前でしょう。すると、3 年前や 2 年前でも型落ちで買った PC 等はサポートされません。最近では PC の性能向上も鈍化していて、5 年以上使うケースも少なく有りません。あくまで一例と見るべきでしょうが、窓の杜が Twitter で行っているアンケートによると、半数以上はアップグレードできないと回答しています。

窓の杜アンケート

 どこまでサポートすればよいかは微妙なところですが、性能的に問題がない CPU を切られてしまうのは、ユーザとしてはたまったものではありません。長期間の使用を考慮して、高性能の CPU を選択したケースもあるでしょうし。プロプライエタリなソフトウェアなのだから最終的な決定権は企業サイドにあるものの、この要求スペックで強行した場合考えられるのは、

  • Windows 11 バージョンアップ見送り or 先送り(結局 Win32 のサポートも延々と続くことになる)
  • Windows 離れ(mac や Chrome book に浮気?)
  • PC 離れ(もう PC 要らないよね)

等など、あまり良いことはないと思うんですが。

 できることなら、Microsoft が方針転換してくれることを祈るばかりです。

Author: wing